慢性痛は複雑
慢性痛は痛みが長い期間持ち続けているといった認識では治すことはできません。長い間持ち続けた痛みも治療すればすぐに消えるだろうと考えてしまうからです。
切り傷が長い間、続いていたのなら治療すれば、痛みは消えるかもしれませんが、慢性痛はそれとは違うメカニズムです。
脳や脊髄で痛みが生じているからです。脊髄や脳を直接治療することはできないのです。
慢性痛を治すには、いろいろなことを試さなくてはいけません。
ストレスも痛みの増悪因子だというのなら、ストレスに対するマネジメントも必要になります。生活習慣が問題になるのなら、当然ながら生活習慣も変えなくてはならないでしょう。
それは患者さんの努力だけではなく、治療する側の努力も必須です。
お互いがそこまで努力し覚悟できるかということも大切なのです。
「もっと簡単に治るんじゃないの?」と思う人もいることでしょう。そんなに簡単に治るのなら誰も悩みはしません。
慢性の痛みの研究の進歩はまだ最近のことです。研究されているということはこの痛みは未だ解明されていないということです。