痛みとはなんだ
痛みについて
痛みはいつも「罰」「不幸」「災難」かのように言われます。しかし、痛みはそんなネガティブな面ばかりではありません。痛みがなければ、苦痛のない一生を送れるように思えますが、そうではないのです。
ケガをしても痛くなければ出血多量で死んでしまいます。感染症にかかっても苦痛がないので、感染したこともわからずに病死するはずです。
実際、痛み感覚がわからない人というのもたまにはいるようですが、そんな人は早々に亡くなってしまうようです。そして、その遺伝子は次の世代に受け継がれる前に亡くなるので、生まれながらにして痛み感覚のない人は多くないのです。
痛みは生体警告信号だと昔から言われますが、そのことを理解している人はほとんどいません。
治療の際に指標となるのは「痛み」です。治療効果があったかどうかの評価も痛みを評価しながら判断するのです。
「痛みが消えた」、このことは生体から危機が去ったということを表しています。ということは、痛みが悪としてみるよりも善としてとらえ、痛みがあるとき、それはわたしたちの身体に何か悪いことが起きているという信号だととらえる方が役に立つ視点ではないでしょうか。