関節が変形する原因とは
関節の変形はどうして起こるのか
関節に痛みが生じると「使い過ぎでこうなった」と思っている人がほとんどのようです。
「使いすぎるほど動いてますか?」
「いいえ、運動はしてませんし、仕事は座ったままです」
「それで関節が痛くなるなんておかしいとは思いませんか?」
「たしかに」
このようなやりとりは日常茶飯事ですが、「原因に合わせて治療を行う」、こういうと皆が皆、納得してくれます。
しかし、関節の痛みが「使い過ぎ」によって起こるのなら、治療は使わないで固定するということになりそうですが、そのような治療は、靱帯損傷か骨折でもしない限り行われません。
関節痛の原因とは
わたしは長年関節の治療を行ってきましたが、関節の変性のほとんどは「使い過ぎではなく、関節の運動制限」です。
生体力学の研究では、関節を固定させると、関節の周囲の組織を変性させ、関節はこわばり、軟骨は変性し、線維化を起こし、関節内の組織は癒着し、筋肉は萎縮、関節を使わないことで骨粗鬆症に陥り関節炎も起こすようです。
つまり、関節の運動性が十分に使われていないということが関節を変性させるのです。
そのことを表すように、関節の運動性を回復させると痛みは消えていきます。
年齢とともに姿勢は変化していくことは誰でも知っています。そのことが関節の運動性を変化させていきます。
その治療は、姿勢を改善させることも含みますので、当然ながら姿勢は見た目もよくなるのです。
関節痛の治療は、老人の体型になることを防止すること改善することが中心となるのです。
それは、真剣に取り組まなくては達成できません。あまりにも姿勢変化や関節の変性を簡単に考え、簡単に治るかのように思い込んでいる人が多くて私はそのことを憂いています。
真剣な態度には真剣で応えますので頑張りましょう。