背中が円くなることを防ぐには。その2
背中が円くなるということ
脊柱の彎曲は、重力に抗っているのですが、長い年月を経過すると、それに負けていくかのように曲がっていきます。
そうならないようにするために「鍛え鍛えればいいじゃないか」という人もいることでしょう。
しかし、円くなっていく背骨は鍛えていないから円くなったとはいえません。つまり、そのことが原因ではないのです。もちろん、運動は必須なのですが、鍛えれば改善するというものでもありません。
それどころか、腰や首が痛くなることすらあります。
このことは、若い治療家やトレーナーはわからないものです。過負荷の法則に縛られている彼らがそれを知るには、もう少し年齢を重ねないと理解できないことでしょう。
背骨が円くならないようにするには、「背骨の弾力性を維持すること」。これにつきます。
いかし、この弾力性をキープすることが容易ではないのです。これは治療家の力を必要とします。鍛えて済むのなら、背中が円くなったと思えば鍛えれば済むはずですが、それで解決できるとはいえません。単純に考えてそれで解決できそうにも思えますが、現実は違います。
背中が円くなるとどうなるか
背中が円くなるというのは、単に背中が円いということだけに留まらず、股関節や膝、腰、首、肩などの痛みに曝されます。先述した写真や図を見てください。
膝は曲がり股関節は伸びず、腰は前傾し顎を突き出します。肩は肩甲骨が外へ移動し正常な位置からはずれていきます。
これらの負荷は痛みに変わっていく確率は高く、「歳のせい」といわれる高齢者にありがちな症状を生み出すのです。
背中が円くなる人の骨密度は低下し、そうでないとしても尻もちをついたりすると折れやすい背骨になっています。
これは背骨の弾力性を低下させていくのです。
これらの治療は少しずつ背骨や肋骨に弾力性を獲得できるよう負荷をかけていきます。徐々にです。
3か月くらい治療を続けると、強い負荷にも耐えられる背骨に向上します。これができなければ改善は不可能かもしれません。
「姿勢を気を付けているから大丈夫」などと思い込みで日々過ごしていると、ある日とんでもないことになっています。
背骨が円くなることを防ぐには「できるだけ早く」が原則です。その理由は、高齢になると治療の負荷に身体が耐えられなくなるからです。耐えられるうちに改善する努力をしましょう。
頑張りましょう。