先ずは筋肉から治療
意外にも身体の痛みの中心は筋肉にあります。関節や神経の痛みがあっても、先ずやるべきことは筋肉の治療です。
筋肉を治療しないで、関節や神経に治療を施そうとすることは回復や治癒を遅らせるかもしれません。
筋肉のこわばりを治療する理由は
一般的に、関節の痛みや神経の痛みは、少し刺激しただけで強烈な痛みに見舞われます。
純粋な筋肉の痛みは、どれほど痛みが強烈でも適切な刺激さえすれば、早急に痛みが軽減していきますが、関節の痛み神経の痛みは、いくら適切に施術しても、痛みは回復するどころか悪化することすら予想されます。
また、筋肉の痛みを先に取り除くことで、関節や神経の痛みが明確化され痛みの状況を把握しやすくなるのです。
慢性痛や強烈な痛みは、神経、関節、筋肉の全ての痛みを含んでいるので、真の原因は隠れてしまうことがほとんどです。
ですから、それらの痛みを一つずつ取り除き、どれが本当の痛みの原因になっているのかを探し出さなければいけません。
例えば、膝が痛いからといって膝関節にだけ治療の的を絞ると痛みが増悪しがちで、他の組織である神経、関節の痛みも増悪します。
ですから、膝痛の患者さんが、膝の周りの筋肉を鍛えろと言われて行ったら余計に痛くなった、という状況もそれです。
悪い刺激は症状を悪化させます。関節の痛みは、膝にかかる刺激に対して敏感に反応します。有害な刺激だからです。筋肉を揉みほぐそうとすると痛みが悪化することがあります。これも悪い刺激だからです。膝を冷やすと痛みが悪化することがありますが、この冷えの刺激は神経を過敏にすることがあります。
膝痛の治療は筋肉から
筋肉は適切な治療を受けると早急に痛みが軽減していく組織です。筋肉の痛みが軽減すると、過敏になっている神経や関節の痛みも同時に軽減していくことがあります。
そうしておいてから関節の治療を行うと痛みが増悪せずにうまく痛みを回復させることができます。
痛みが軽減していくことは、神経の痛みの軽減でもあります。
膝の痛みを取り除きたいという方は、知識として、関節だけでなく筋にの痛み、神経の痛みも含めたものが膝痛の原因になっていることを知っておいて欲しいのです。
そうでないと、大した治療も行っていないのに「もうだめだ」「もう治らない」と簡単にあきらめている人の仲間入りをしなくてはならなくなります。
治療家は、「あれも試した」「これも試した」「でも治らない」という人を対象にしているのです。
様々な方向から治療法を作り上げることが仕事なのです。簡単にはあきらめません。
頑張りましょう。