痛みの最良治療計画
痛みがあると「早く痛みを取り除きたい」という気持ちになるのは当たり前なのですが、その「痛みを取り除く」ための方法はより良い方法を選びたいものです。
効果的な痛み治療の考え方
長年、痛みの治療を行ってきてわかっているのは、脊椎の痛みのマネジメントで大切なことは、
①痛みの源を探り出すこと。
②痛みのタイプ、部位、痛みの範囲、痛みの質、痛みの状態などから治療を考える。
③痛みそのものへの治療よりも、身体の機能回復、痛みのコントロールを対象にすること。
④画像診断だけで判断しない。外科手術以外の方法をできる限り考えること。
⑤痛みの再発を避けるためのメンテンスケア。
痛みというのは長期にわたればわたるほど解決が難しいものです。患者さんは「すぐにでも治してほしい」と思っておられるでしょうが、治療する側は「もっと早く治しに来てほしい」と思うものです。
長期にわたる痛みは、初めにあった痛みだけではなく、多くの要素が重なっていることで、真の原因を探し出すことが難しくなった状態にあります。
例えば、長年の腰痛であれば、痛みから逃げるような姿勢を取り続けることで、右側が痛かったはずの腰痛が左側に移ることも多々あります。また、腰痛を気にしているうちに背中や首の痛み移行していることもあるのです。
痛みに影響する要素を一つ一つ取り除くことでしか痛みを解決することはできません。
そして、大切なのは痛みそのものよりも身体の機能を取り戻すことです。腰痛患者の全てが背骨の動きの制限や非対称が起きています。それらを解決しなければ痛みの治癒に近づくことはできません。
最後に、痛みから解放された後は、メンテンスケアをすることです。若いのならそうは思えないでしょうが、勤続疲労が重なって生じた痛みが、あなたの痛みならメンテナンスケアは必須です。痛みを生じる環境が消え去ったわけではないからです。
頑張りましょう。