膝関節痛治療の新しい発見
膝関節の痛みの治療は世間で思われているよりも簡単ではありません。
特に、加齢によって生じる痛みはやっかいで、痛みの早期の回復と、関節の機能の回復は同時進行で行わなければいけません。
それはわかっているのですが、患者さんの生活習慣やクセなどすべて把握できるわけではありません。何が悪化要因なのかを知らなくては、治療はしてはみたものの家に帰ると、関節に炎症を生じる生活を続けていたのでは効果は上がりにくいものです。
膝関節は毎日どんな時でも使います。その使い方に問題があることも多々あります。
しかし、早期の回復を目標にしなければ、慢性の関節痛になると、さらに痛みは過敏になり、拡大していきます。
膝だけの治療は効かない!
膝関節が痛いと、「膝の部位に治療を施していれば回復するだろう」と、そう思う患者さん、治療家がほとんどです。
しかし、膝の痛みは膝だけに治療を施していても成果は上がりません。膝だけに治療を施すときはケガのときです。
加齢などで生じる膝痛は、元々膝が悪かったのではなく、徐々に膝への負荷や力学的異常、神経学的異常が発生して起こるものです。
このことが真実だとすると、膝痛というのは、それらの負荷の犠牲者ということにならないでしょうか。
そうなると膝痛の治療は、膝以外の部位への治療が必要になります。
膝痛の治療に股関節の機能回復を忘れていないか!
膝痛の人は、「筋力不足」、そう思い込んで鍛え始める人がけっこういますが、多くはさらに膝痛を悪化して運動を止めます。
それはそうでしょう。
膝痛は力学的負荷の犠牲者なのですから、動けば動くほど犠牲が大きくなり痛みが悪化するのは当たり前でしょう。
もし、あなたが膝の周囲の筋肉を鍛えて、膝痛が悪化するのなら、すぐさま運動は中止です。他の方法を感がるべきです。
膝は股関節や骨盤の動きが制限されると、とたんに膝への負荷が増し、痛みを生じやすくなります。
股関節周囲の運動機能を改善することは、膝への力学的負荷を軽減させることでもあります。
「膝痛=老化」だという仮説を採用するのなら、わたしの膝痛の治療は否定されるかもしれません。
しかし、わたしは「膝痛=力学的犠牲」という仮説を基に治療を進めます。そうすることで、加齢による関節運動の障害をも解決し、膝痛だけでなく、多くの加齢による関節の痛みを解決しています。
あなたが痛みに悩み、なかなか解決しない、なんとかできないかと思われているのなら、違って視点からも痛みを観察することをお勧めします。
痛みの治療は、これまでも難しく、これからも難しい課題です。多くの視点を持つもつことで解決できる痛みもたくさんあります。相談にのります。頑張りましょう。