健康になれば鈍感になる
「神経が鈍くなって…」
こういった言い方を耳にしますが、健康になれば「最近、やっと鈍くなってきたわ」という表現が普通です。
少し動いただけでいたくなる腰。ちょっと傷つく言葉を聞いてぐらつく心。気圧の変化を敏感に感じ取ってしまう自律神経。軽く筋肉を使っただけなのに痛くなる筋肉。
不健康になればなるほど敏感になる身体。健康な身体はその逆です。多くの場合。
痛みはちょっと刺激でも痛みとして感じます。健康な人では感じない刺激であってもです。
痛みが消えると「あれツ、全然痛くない!」「前と同じ力で触ってますウ?」と言われます。
何度も言っているように、生物の基本は刺激と応答です。
有害な刺激にはそれなりの反応をし、有益な刺激に対してはそれなりの反応をします。その繰り返しを脳は情報として受け取り、対処しようとします。
もし、身体に針が刺さったとしたら、わたしたちをそれを引き抜こうとします。放置はしません。それは脳が決めることです。行動を起こすのは意思です。
しかし、腰痛となれば、腰を取り外すことはできません。何も傷ついてはいないので痛みを引き抜くこともできません。耐えます。しかし、痛みは増強して、「何とかしろ!」といった刺激を起こします。
そこで、わたしたちは病院に行ったりするわけですが。
有害な刺激に対して、それを取り除くことが大事なわけですが、それが大した刺激でなければ無視してしまいます。よほどの刺激、よほどの痛みでないと、それを取り除こうとわたしたちはしないものです。
そんなことをしていると神経系は、身体は敏感になってそこに異常があることを知らせようとします。異常が取り除ければ、鈍感になって健常を取り戻すのです。
心も同じです。
何か不適切な感情で処理しようとすると「不快」にみまわれて苦悩は続きます。適切な感情で対処できれば「不快」は消えて心の動揺はやみます。
わたしたちの身体には、正常と異常、適切と不適切を見極める機能があるかのように思えます。そして、その感覚に従って自身を変化させる。更新させることで環境の変化やからだの変化に対処しようとしているように思えます。
頑張りましょう。