選択の難しさを知る
治療院選びだけでなく飲食店や歯科、美容室、友人、配偶者などを選ぶとき、「一番良いもの」を選択したいと誰もが思います。
しかし、それとは違ったものを選んでしまうものです。「最高のもの」を選んだつもりでも「何かが違う」と気づかされてしまうのです。
この世の中は、「摘まむ者と摘ままされる者」とに分かれると言います。摘まんだつもりが摘ままされていたこともあるのです。
治療院選びで大切なのは、診断できる能力が高いことが一番です。
その次に来るのが治療技術の高さです。
人柄だと言う人もいるでしょうが、あなたがそうであるように、人柄なんて演技でいくらでも化けることが出来ます。
いくらすまし顔ですかしていても、かわいらしい女の子に「すご~い」と高い声で言われると、一発でKOされる男たちはいくらでもいるのです。
どちらも本物ではありません。世間をうまく渡る仮の姿を人柄などと呼ぶのは世間を知らないまま歳を重ねて証拠だと言われても反証はできないでしょう。
技術は人柄も含みます。なぜなら、高い技術を身に着けるには、共通感覚があり、なおかつ熱意によって、平均を乗り越えることができる人だからです。
高い技術を身に着けているという演技はできません。高い技術は存在するものだからです。
平均的な人が、優れている人のふりをすることなど無理なことなのです。すぐに化けの皮がはがれます。人柄まで見抜くなんてことは至難の業です。平均的な人がわかるのは平均的な人なのです。
ですから、いつも、いつの時代も人事の人たちが会社の職員の採用を失敗するのです。平均的な人が選んだのですから、平均的、もしくは平均以下を選んでしまうのです。
「人事は何であんな奴を採ったんだ!」よくある話です。その人事の人を観察してあげてください。平均的な人のはずです。
選ぶ際に大切なのは、自分自身が何かに対して熱意を持ち、その熱意から生じる動機の持続によって得られる能力の獲得の難しさを知っていなければいけません。
以前、有名陶芸家、人間国宝も含む陶芸家の方たちに、
「この仕事をしていて自分が一人前の陶芸家と思えたのはキャリアとしてどれくらいですか?」
と尋ねてまわったことがあります。
その答えは「20年」という答が最も多かったのです。
「10年ではダメだったのですか?」
と尋ねると、
「10年くらいの時は、まだまだ不安で、やっていけるかどうか自信がなかった」
という答が全てでした。
陶芸好きの人がその方たちの名前を聞くと、「えツあの人が…」という人たちです。
何かを身に着けるということは一朝一夕にはいかないのです。その事実を知っていれば、大きな間違いをしないで済むはずです。
人柄を知りたければ話をしなければ分かりません。相手がどこに視点を持っているのは質問してみればわかります。しかし、その質問はあなたがするのです。質問するあなたがトンチンカンなことを質問するのなら何もわからないでしょう。
ですから、普段から自分も学んでいなくては、その質問すらできないのです。
私自身も日々の努力の継続によって、何かの能力が得られるのではないかと日々精進しています。
そういえば最近、何かを選択するときに大きな間違いをする頻度が減ったように思います。
もしかすると、「いよいよこのオレにも来たか…」とここで間違った選択をしないようにしたいものです。
頑張りましょう。