悩み多き人へ報徳思想
「報徳思想」は二宮尊徳さんの思想の一つです。
思想ですので宗教ではありません。
悩みを含むストレスや苦悩をどう解決するかを考えるとき、この報徳思想が役に立ちます。
昔のインテリの人たちは、
「何のために生きるのだろう」
「生きる目的とは」
こういったことを考えたといいます。
インテリでなくても、こんなことは悩みがあるときや行き詰った時にふと頭の中によぎるかもしれません。
わたしも仕事柄、いろんな悩みを聞きます。その度にどうすれば解決するだろうということを考えさせることがあります。立場上、このことについて考えることはそうでない人よりもかなりの時間を使います。
しかし、
「何のために生きるのか」「生きる目的とは」
に対する答えは「ない」のです。
あるとすれば、「現状に対しての恩に報いようとする意志を目的に生きる」です。
愚痴るばかりではなく、「恩に報いよう」、「現状に報いようとする」ことを生きる目的として用いることが良いのではないかと考えます。こちらの方が悩みが少なく、有益な悩みが多くなるので健康的です。
というのも、社会心理学では、思考戦略として最も強いのは「互恵的」であることとといいます。
「互恵的」の反対は「利己的」です。
この利己的という考えは、現代では最もよく使われる思考です。自分さえ良ければいいというあれです。
自分では一番得する考えだと思っている人ばかりですが、実は、この考えが一番損をする考えです。
人間の行動の動機は、「自分のため」よりも「他者のため」の方が頑張れます。そのことは皆、経験で知っているはずです。
「知らない」という人は、おそらくまだ利己的な思考しか経験したことがないのです。
「何のために生きる」
の疑問も利己的な発想が源にあります。だからこそ、現実社会で生きていくうえで納得のできる答えが見つからずに悩むのです。
利他的な思考ということは、現実として難しく、有益でもありません。「互恵的」、この考えを一度深く考えてみてください。
そのとき「自分はどう生きればいいのか」
ということが見えてくるのではないでしょうか。
先ずは「恩に報いる」、お試しあれ!