実績に基づいた施術を行います
経営学者のマイケル.ポーターは、著書「医療戦略の本質」の中で、
「医療における価値は、モニタリングや予防から、治療や継続的な疾病管理に至るまでのケア.サイクル全体を通して、その患者固有の病態に対処する中で決まる」
こう述べています。
これは、カイロプラクティックの施術にもそのまま当てはまります。
カイロプラクティックでは、「患者さんの体調や体質、性質、習慣を観察して、どう対応するべきかを全体から考えて、今ある症状に対処していく」と言い換えることが出来ます。
「医療での問題は、競争が病態レベルで行われておらず、ケア.サイクル全体を通しても行われていないということなのだ」
とポーターは述べます。
ポーターが推奨するのは、「医療提供者は、さまざまな病態に対してサービスを提供してもよいが、その価値は各病態に対してどれだけ良い診療を提供できるかによって決まる。価値に基づく競争は病態を軸にしたものでなければならないのである」といいます。
「病態を軸にした治療の競争」、このことをからだ矯正センターは実践していきたいのです。
例えば、「むち打ち」、多くの人が首を引っ張る、湿布、電気、マッサージ、痛み止めなどを処方されます。しかし、
病態を軸にして治療を考えた時、その処方は残念ながら間違っています。それは医療従事者の人ならわかっているはずです。この例を出すのは、わたしも事故によって処方されたことがあるからですが、間違っています。
むち打ちの病態から治療を考えるのなら、筋肉の痛みのメカニズム、神経生理、生体力学などを基礎に置かなくてはいけません。
その病態の基礎から考えられる治療は別にあります。その効果は病態生理から説明できるものでなくてはいけません。効果がないということも病態生理から説明できなくてはいけません。
難しい話になってしまいましたが、たかが治療、されど治療なのです。深く深く探っていかないと最良のものには出会えません。
あなたの仕事も同じでしょう。やっつけ仕事で何ができますか。自分ならそのサービスなり仕事なりを提供してほしいですか。大切なのはその答えを自分自身が行えるかということなのです。
世の中には、ほんとにたくさんの治療法があふれています。しかし、その治療効果が競争に曝されることはありません。
その症状は、何が原因で、なぜこの治療が必要なのか、これからどうすればいいのか、何をするべきなのかに応えていかなくてはならないのです。
このことは医療提供者だけでなくカイロプラクターも同じです。
「患者さんが治ったといったから効果がある」
この患者さんの証言に頼ったバイアスによって医療提供者は満足しています。他の治療法なら、もっと効果的で早く改善したかもしれない、ということを考えたりはしません。患者さんもそういったことは専門外なので何の疑問も持ちません。
からだ矯正センターでは、できうる限り「何が一番効果があるのか」をテーマに長年調べてきました。競争に曝すよう努力してきました。例えば、腰痛に対して、何が一番効果的な治療法なのかを病態生理から考えて試したりもしました。
痛みや症状を取り除くには、出来るだけレベルの高い施術なり治療を受けなければいけません。効果のない治療法をいくら続けていても時間とお金の無駄です。
「何が一番効果があるのか」
という単純な競争に、自分の治療法をさらすことは恐怖です。しかし、医療提供者はそれをすべきだと考えています。しかし、恐怖によって賛成する人はいません。
患者さんにとって最も利益があることは、最もしたくないことなのです。
私がメンテナンスケアを強く勧めるのは、「健康を維持することが究極的なコスト削減になるのだ」というマイケル.ポーターの意見と一致するからです。
一例として、歯のメンテナンスケアを想像すればわかりやすいのではないでしょうか。歯のメンテンスケアよりも、歯の治療の方が、時間とお金を浪費します。身体も同じなのですが、まだまだ伝わらないようです。
頑張りましょう。