老いても快適に過ごすために
長く多くの人の健康に携わる仕事をしていると、「健康とは何か」ということをいやでも考えさせられます。これは職業病のようなものです。
体調不良や不健康、慢性痛を抱えている人をみかけると、「…」となってしまいます。
本人は「いつでも治せる」「そのうちに治るさ」「これくらい大丈夫だろう」といった根拠のない予測を立てます。
「大丈夫ではないです!」
身体は間違いなく壊れていきます。30歳は折り返し地点です。お酒の強い人でも33歳あたりから「弱くなった」ということを自覚するものです。(カラ元気は無しです。)
女性の方が、女性ホルモンの関連から、このことを強く自覚されるはずです。
30歳を過ぎると、年齢を重ねるごとに能力は、右肩上がりではなく右肩下がりになることを知っておいてもらいたいと思います。
「右肩下がりなのです!」
そのことを理解したうえで必須なのが「知恵」です。特に「健康に関する知恵」、このことを強く意識してほしいのです。
「あの時にこうしていれば…」
誰でもある後悔ですが、回避できたことを知ったからこその後悔なのです。
高齢に近づくうえで必要なのは、身体の強さではなく「回復力」です。元気な人でも、何かあるとペシャンコになってしまう人はいくらでもいます。
反対に。弱そうに見えても、逆境に耐え復活する人もいます。そう、「逆境」に耐えられる力です。
後は「気力」。
「良いことは継続し、悪いことはすぐやめる」、これです。カラ元気でテンションが高いことを気力があるとはいえないのです。そんな人は、独りになると「不安感」「孤独感」に押しつぶされそうになることを隠しています。
高齢の方でも、良いことを長く継続されている方も多くおられます。その共通点は「気力がある」ということです。この気力の低下が急に目立つと、「一年以内」に「…」ということをよく経験させられます。
「何かを継続すること」
この継続が出来ていれば、「気力がある」という物差しにもなるのです。
「何か続けていることはありますか?」
この質問に即答できるようにしておくことです。
「なんもない…」
こんな答えを長年続けていると、気力の衰えに気づかずに、つまらない生活をおくることになる蓋然性は高いと知っておいて下さい。
頑張りましょう。