転倒から始まった腰痛が改善してきた
慢性痛になると治らない
半年以上も前に転倒して背中を強打し、そこから腰痛が始まった男性の治療が、あれから進歩して、改善の兆しがみられた。
歩くには左右の股関節、骨盤が交互に動く必要がある。それがなければ満足に歩くことが出来ない。偏った動作の反復は身体の故障の原因になる。
治療部位は腰ではなく、脊柱や骨盤の動きの正常化が目的になる。このことが分かっていない人が多い。
「原因を見つけて治す」「原因を見つけて治してほしい」
と簡単に誰もが言うが、治療でそれを応用するとなると簡単ではない。
この症例においても、背中を強打したのだから「治療部位は背中」だと思っても不思議ではない。
しかし、「治す」ことは、原因を見つけることから始めなければならない。思い込みではなく、施術をしながら痛みの状態を検証し、再評価して正確な施術計画を立てていく。
占いのように、黙って座ればピタリと当たる、というものではない。
特に、慢性痛になると、治療法はさらに難しくなる。中枢神経の働きを観察しながら施術を進めていくものだ。
自分が「治してほしい」と真剣に悩み、探すなら、必ず良い治療院は見つかる。それは、あなたの熱意や意欲に比例しているはずだ。
間違えてはいけないのは、治してくれる治療院くらいどこでもある、といった思い込みだ。
あなたが会社員なら、「その会社で人生をかけるくらい頑張っている人は何人いますか?」という質問の答えと同じくらいの割合だと考えるとちょうどいい。
冒頭の患者さんの例では、当センターに来院されるまでに半年の月日が必要だった。
転倒してから2か月以内に、もし来られていたなら、今頃は痛みもなく暮らしていたはずである。治りやすい時期というものがある。
それを逃すとなかなか治らないものだ。そんな治りにくい痛みと日々闘っている。