早く治るものと治らないものがある
早期の治療が必要な理由
慢性痛になるとなかなか治らない。これは中枢神経(脊髄や脳)で痛みが発生しやすい状況に陥ってしまったからだ。
ちょっとした刺激にも痛みとして反応してしまう状態である。
むち打ちの人たちがよく言う。
「明日は雨が降るぞ」
低気圧という刺激に体が反応しているのだ。しかし、そんな予知能力は治療と共に消えていく。
「明日は雨が降る?」
「いやア最近は天気予報が出来なくなったわ」
「良かったね」
敏感だった中枢神経が正常化した証である。
治療というのは、神経系を鈍感にさせることでもある。からだを揉んで筋肉を緩めれば治るなんて思っていると、その期待は大きくハズレる。
神経系が敏感に陥れば、揉みほぐす刺激にも痛みとして反応する。むち打ち症の人には注意がいるというのはそのことだ。
慢性痛の身体は全身が悪い意味で敏感になる。全身なのでメンタルもそうである。
「治す」というのは、心身共に、というのはこういったことが理由だ。
長く痛みを放置していると、それだけ中枢神経は悪く変性するものである。初期であれば、その中枢神経の変化も小さく済んでいるので、治るのも早い。
そもそも、痛みがあるのに放置するという行為を選択するということ自体が異常である。ましてや「薬を飲んで誤魔化す」なんてことをしている人は、自分の未来像を想像していないに違いない。
早く治るものは早期に治療を行うこと、治らない人は放置している人、これは昔から何も変わっていないにちがいない。